ローリー・アンダーソン『時間の記録』@ICC

dazs2005-09-27

久々に展覧会へ。面白おばちゃんアンダーソンて人は音楽に飽き足らず、演出法も全部手がけちゃうスーパーウーマンで、楽器も作るし映像も作る。見せ方を包括的に考えてる人。じゃ、何を見せるのかというと、機知に富んでます。何を見せるかなんて書けないから何個か紹介。笑った。
例えばヴァイオリン。中にスピーカーが仕込まれてて、そこから出る録音された音と、実際に演奏する生音のデュエット。はたまた、国境を挟んでこちらではピアノ、向こう側でスピーカーでデュエット。互いの音は山肌で反響しハーモニーを奏でるみたいな。
技術も熱心に取り入れる。ヴァイオリンの弦にテープを貼り、ヴァイオリン本体にテープリーダをつける。その状態で弾くとテープが流れるとか、口の開閉により音が鳴る楽器とか。ハンドフォン・テーブルでは音楽の骨伝導を初体験。テーブルに肘ついて手で耳を覆うと、骨を伝わって音が上ってくるんだなぁ。まさにハンドフォン。あとは体の動きと音とを融合させてた。
と、そういった道具はショーで使うらしくて、そのショーのビデオ上映。変てこ楽器と、映像のすかし、みたいなとこが面白い。面白おばちゃんを生で見たい。
展覧会自体は色々いじれるし音楽聴けるし、体験型です。10月2日マデ!新宿オペラシティ!
以下略歴

・1947年 イリノイ州 シカゴ生まれ
7歳よりヴァイオリンのレッスンを始め,
・1961年にシカゴ・ユース・オーケストラの一員になる
・1969年 バーナード大学美術史学科卒業
・1970年 バーナード大学で初個展
コロンビア大学大学院で彫刻を専攻
・1972年 コロンビア大学大学院修士課程修了


・70年代初頭,ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートに影響を受けた彫刻作品などを制作.「アートフォーラム」など,美術雑誌に美術批評を書く.72年,自動車のクラクションを演奏に用いた最初のパフォーマンス作品《カー・ホーン・コンサート(オートモーティヴ)》を発表する.
・70年代後半以降,映画の制作,および映像やセンサー,改造したヴァイオリンなどを使用したさまざまなパフォーマンスを行なう.
・81年《オー・スーパーマン》をニューヨークのレーベル,110(ワン・テン)から1000枚限定で発売.翌年,英国のDJジョン・ピールが放送した同曲がイギリスでヒットを記録する.以降,ポピュラー音楽の領域でも,世界的にその名を知られるようになる.
・83年,80年から部分的に上演されてきた四部からなるパフォーマンス《ユナイテッド・ステイツ》が完成し,ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージックで2夜,8時間をかけて上演された.
・80年代半ばから後半は,《ミスター・ハートブレイク》(1984)や《エンプティ・プレイセズ》(1990)といった大規模なパフォーマンスを手がける.ピーター・ゲイブリエルブライアン・イーノヴィム・ヴェンダースをはじめ大勢のミュージシャン,映画作家振付家とのコラボレーションも行なう.コンサート・フィルム《ホーム・オブ・ザ・ブレイヴ》を制作.
・90年代初めには,暴力や対立,検閲といった問題を見つめる《ナーヴ・バイブルの物語》を発表.以降97年に《スピード・オブ・ダークネス》,99年にメルヴィルの小説をもとにした大規模なオペラ《白鯨の歌と物語》など.
・2000年以降は,CD《ライフ・オン・ア・ストリング》を発表し,アメリカやヨーロッパのツアーを行なう.2002年には,2001年の9月11日の直後にニューヨークで行なったコンサートを収めた2枚組CD《ライヴ・イン・ニューヨーク》を発表.パフォーマンス《ハピネス》の初演.
・2004年,2年間のNASA(米航空宇宙局)のアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの結果として制作された《月の終焉》を上演.
・2005年,愛知で開催された「愛・地球博」に参加し,日本庭園におけるインスタレーション《WALK》や映像作品《山の中に隠されている》の上映,パフォーマンス《10枚のポストカード》の上演を行なった.